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そうした覚めることのない夢の世界を生きている。だから精神は、そこから出てゆくしかないのである。外の現実の世界へ出て初めて、本当の自分というのが見えてくるのである。 ぼやけて境界線のない世界とはこのことである。自分というのが見えず、確かめられず、自己と他者の区別があいまいな、ケジメのない世界なのである。だから意識は区別の確定へと向かう。 外からの光が必要である。あるいは光を求めて出てゆくしかないのである。境界線とは自己と他者の区切り線であって、その中は、けっして立ち入ることが許されない自己の精神の領域なのである。 それは自己と他者を区別する、自分自身の中の自由な世界である。自分が自分であることを証明する、自分だけが許される自分自身の、自由な精神の領域なのである。それは、自己のプライバシーであり、人権であり、人格なのである。 |
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