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1、変わらない。


滅ぶとは、たとえば肉体は同じ自分のものであっても、もはやその精神は、自分とは別の者のことなのである。そうしたことが現実にあるのである。

いままで、自分が生まれる前からずっとそうであり続けたし、これからもそうであり続けるということ、これが自分自身なのであって、変わることのない、そして変わりようのない、そしてまた、過去も未来も変わらないというのが、自分自身の本来のすがたなのである。少なくとも、そう思えてくるのである

変わらない自分というのが、本来の、本当の自分のように思えてくるのである。しかし実際には、この「変わらない」というのも歴史的な産物なのであって、これを数百数千年という単位で見るならば、やはり、何度も変わってきているのである。

しかし、これを数十年という短い単位、あるいは、わずか一世代の記憶のなかで見るならば、ただそうした著しい現実の変化に、人間がついて行けなくなっている、ということなのである。だからまた、このような自分を見失う、あるいは自分が誰か分からなくなる、といったことが起こるのである。

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