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そしてこれがまた、自己の同一性であり、存在の根拠なのである。そして、これを失うということなのである。自分を見失うとは、こういうことなのである。自分が自分で無くなれば、自分は消えて行くしかないのである。 それは自分の存在理由を見失うということである。これは自分にとって耐えられないことであり、許容することも、妥協することも出来ないことなのである。これは自分自身に対しても、また社会からしても、もはや人間であると見なされなくなる、ということである。 社会や法律、そして警察からもそのように見なされるということである。一応、法の下での平等などと当たり前のことを言うけれども、その実、その運用と適用方法、慣行、暗黙の了解・無言の合意などといった、それまでの習慣や常識に従って処理される。 すなわち、実情から言うと人間として扱われない、ということである。だから、こうした状態を「滅ぶ」というのである。そうして社会的にも、身体的にも、歴史的にも、消えてゆくのである。 |
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