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1、空気。


空気は直接に身体のなかに入ってくる。そして人間の肉体と直接物理的に交渉し、交流し合っている。にもかかわらず、人間にはそれがあまり意識されない。それでも空気が、人間の気分や機嫌、情緒や生理に微妙に影響しているというのは、なんとなく分かるのであるが・・・。

つまり、意識されるものとしての、見て、聞いて、触れるといった感覚とは別の、見えることも意識されることもあまりない、そうした無意識の感覚、気配(けはい)や雰囲気とでもいった感覚なのである。

こうしたことが、心理的な陰影や、感情の陰り、あるいは内向的な憂欝、沈潜、自分を省みたり反省したり、あるいはまた、反対に陽気になったり、騒がしく外へ向かって感情的になる、明朗になるといった状態や、気分や雰囲気といったものを作りだしている。

こうしたことは本来、人間の感情とは別のものなのであるが、それが嫌が上にも人間に迫ってきて、付きまとい、そして影響しているのである。それは、多少とも生理的なものなのであるが、それが人間を支配していて、そして、そうした方向へと人間を制限し、押しやって行くのである。

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