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しかし、日本列島のように、人間が自然にひきずり回される世界では、たとえば四季の変化や、著しい気象の変化、そして狭い上に複雑な地形の特徴を持つ世界では、変化そのものが日常の世界なのである。 このような世界では、自分をかえりみる余裕もなく、その必要もなく、また、それが出来ず、許されることもなく、そうして自分というのが自然と一体になっている。 そしてそこから離れて、自分を外からながめるといったような、場面そのものがないのである。空間的にも歴史的にもそうである。とらえどころがなく、そしてじっと留まり続けるということが許されない世界なのである。 このような世界では、自分と外の世界というのが、一体となっているということが、この社会にとっての生存と、その維持のための必須の条件となっているのである。そして、このようなシステムの中を人々が生きているのである。 だから、人間はそこから出るようなことをしては、いけないのである。また、それは許されないことなのである。それは、このシステムを成り立たせている、条件を破壊するようなものなのである。 人間は、こうしたシステムのなかでのみ、意識も思考も感覚も、生き方も成り立ち得るのであって、そうしたシステムが求める必要の上に、この世界の何もかもが存在しているのである。あるいは、存在することが出来るのである。 |
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