index < 日誌 < 2018 < 四季。<18-37「冬の空」 |
夏と冬で入ってくる光の量が異なるのは、太陽光が当たる地表面の角度に原因がある。夏は、地表面に対して太陽光が真上から照らしている。それが冬には斜めから照らすのである。したがって、それだけ地表面単位面積当たりの光の量が少なくなる。 つまり、夏と冬に同じだけの太陽光が地上を照らしていても、冬は角度がつく分だけ地表面を広く照らさねばならず、それだけ光が薄くなって弱くなってしまうのである。 こうした光が少ないというのは、雲の形と色にもよく現れている。冬の雲は全体として薄く、その辺部、つまり大気と雲との境界部分は、ちぎれた綿(わた)のように、大気と雲が入り乱れて溶けあっている。つまり、雲を作り出す水蒸気の量に大きな違いがあるのである。これが夏と冬の「雲のカタチ」によく現れている。 冬の雲は境界線が非常にあいまいで、大気と雲がたがいに、それぞれが出たり入ったりしている。そしてさらに、雲自体のコントラストが弱い。白で表現される雲の色の明暗(コントラスト)の範囲というのが狭いのである。他の言い方をすると雲に勢(いきお)いというのが無いのである。夏に比べると白い雲と背景の空の青さの境界線が曖昧なのである。 反対に夏の雲は、全体としてぶ厚く、ふてぶてしく、もくもくもっこりしていて、特に大気との境界部分は丸めて固めた綿(わた)のようにクッキリした境界線を描いている。入道雲がそれであるが、それ以外の雲も冬に比べると、やはりぶ厚くはっきりクッキリしている。 |
index < 日誌 < 2018 <18-37「冬の空」