index < 日誌 < 2018 < 四季。<18-37「冬の空」


 
3、色。



雲の明暗のコントラストが違う。特に雲の最上部の明るさがまったく違う。夏のそれは、同じ白でも光沢があって、なめらかでまぶしく、そして鋭い。最上部の白の部分が異様に目立ち、そしてまぶしいのである。このような「まぶしさ」といったものは冬の雲にはない。

そうしたことは、町中を走る車の反射面にもよく表れている。夏の鏡面反射のフレア(白飛び)は強烈であるが、冬のフレアは、ほとんど気にならないくらいに弱い。

(ただし、冬の朝の9時前後に車を走らせていると、非常に強いマブシサを感じることがあるが、それは鏡面反射というよりも逆光にともなう「まぶしさ」である。冬の太陽は、空のかなり低い位置を回っていて、それを積もった雪や溶けだした水が、水平方向にドライバーに向けて、光を強烈に反射しているのである。しかしこれは本文の趣旨とは別である。)

要するに、ものを照らし反射して映す出している光の量そのものが、夏と冬とでは、かなり違うということなのである。わかりやすく結論だけを言うと、冬の方が少し暗いのである。コントラストが弱く明暗の幅といったものが狭くなって、全体的に少し青みがかった薄い灰色が混じるのである。あるいは、天気の良い日には、早春のような薄い白色が混じる。

これはつまり、地上の「空気」そのものの色なのである。春は白、夏は黄、秋は灰、冬は灰と青、となるのである。

夏の黄色と冬の青は、「色温度」と言って同じものを見ていても、その温度によって色が少し違って見える現象である。写真の「レ・タッチ」によく使われていて、たとえば、夏の写真を冬の写真のように似せたりするのに使われている。また逆の場合もそうである。夏の空の写真を、薄い青のフィルターを透かして見ると冬の景色ように見える。


 戻る。              続く。

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