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4、必然。


それは、まるで宿命のように自分を取り巻いていて、そしてそのように定められ、条件づけられ、規制されていて、そうするしかないもの、そうせざるを得ないものとして自分をいざない、導き、そして追いやって行くのである。もともと、そのようにしかならないように出来ているのである。

そしてそれを自分の意志によって為されたことのように、誰もが思い込んでいるが、これを外からながめて見ると、やはりそれは、そのように始めから仕組まれていたものとしてしか、思われないのである。

それは、だれかがそのように仕組んだというのではなくて、社会全体のシステムの都合の結果として、導きだされたものなのである。そういう意味でそれは、客観的な必然性なのである。

もちろんそれが、彼によって演じられたのは偶然であるが、それでも要するに結局、だれかがこうした役を演じなければならなかった、という意味で、それはやはり必然なのである。それは、そうならなければならず、そうならざるを得ないものだったのである。

戻る。                   続く。


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