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それは、だれでもよかったのであるが、たまたま彼がその場所に居合わせたということなのである。そして、そこから先は、定められたお決まりの道しか開いていなかったということなのである。 それは本人の意志とは関係のないことであるけれども、しかしまた、そうした蓋然性(=確率)といったものが、本人をしてそうした方向へと押しやってゆくのである。そしてまた、そうした方向以外の道というのが閉ざされているのである。 だからまた、そうやって生きて行くのである。そうするしかなく、そうせざる得ないのである。すなわち、意志も生き方も、そうした考え方自体も、それ以前にすでに定められていて、そしてそれへと導かれ、いざなわれて行くのである。 それしかないようにである。まるで夏の虫が、燃える火の中に誘われて向かって行くようにである。もともと、そのようにしかなれないように出来ているのである。そのようにしかなれないものとして始めから条件づけられていて、そしてこれが現実という世界で、人間が生きて行くための条件となっているのである。 |
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