index< 日誌 < as同一性 <  18-378「新、偶然の錯覚」p5-


 
2、歴史的現実。


そうしたことが数百数千年に渡ってくり返される、自己の経験の積み重ねとなり、歴史となり、そしてそうしたことが身体の馴れや習性、生理作用の特質となって蓄積されてきたのである。またそれは、身体構造としてだけでなく、習慣や文化、言い伝えや知識としても集積されてきたのである。

そして、そうしたことが自分でも不可解な夢の世界の中に現れてきているのである。それは自分自身の、祖先から受け継がれてきた生理や神経作用の特質であり傾向なのである。そしてそれが、そうした方向の下に現れ出てきているのである。夢がそれを映し出しているのである。言葉にならない何かを言い表し、映し出し、伝えようとしているのである。

あるいは、それは目覚めて見ている空想の世界もまたそうであって、錯覚や、誇大に拡張される偏った感覚の「傾向」といったものにも現れている。それは、その現実社会が形成されてきたところの、自分たちの祖先の歴史の結果を見ているのである。

戻る。                          続く。


index < 日誌 < as同一性 <  18-378「新、偶然の錯覚」p6-