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| この場合、どこが違うかというと、一つは、他人の考えの延長線としての自分の意識であり、もう一つは、他人の考えの否定としての、言い換えると、そうした自己を否定するところに、自分を意識する場合である。 一つは、同じ世界のなかでの自分と他人の関係であり、もう一つは、そうした世界を否定したところにある、別の世界から自分を見ている場合である。この後者の方が正解である。本物である。自分で自分をかえり見ている。だからまた、自分が自分に対して正直に映し出されている。 他人から押し付けられ、与えられて、また、それしかないようなところで仕向けられるような世界では、本当の自分というのは見えて来ない。自分の中をいくらほじくり返しても、自分自身が見えてくるということがない。自分の中で自分が映し出されるということがないのである。 自分で自分を見るというのは、自己というのが、自分の中で分裂しているからであって、これがまた、自己意識というものであって、そうやって、自分の中の完結した世界の中で、自分自身に問いかけているのである。 やはりそれは、現実世界に対する反発や、それと対峙する、自己の違和感といったものが、自分の心の中で反射して映し出されたものなのである。自分で自分を見つめていて、そして自分で自分を作りだしているのである。 |
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