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6、物語。

忘れられ、失われていたものが思い出されてくる。あるいは発掘され、発見される。自分というのが、新たなすがたとなって意識されてくる。それまでとは違う自分を垣間見ることになるのである。自分のなかにあって、未知で得体の知れなかった何かが、すがたカタチとなって現れてくるのである。

ただ、その現れ方も、そしてそのカタチも千差万別である。はてしのない変化と無限の多様さのなかから現れてくるのであって、そのすがたカタチも常に変化しているし、さらにまた、新しいイメージや論理の物語によって、廃棄もされてゆくのである。

それはいわば、職場やライフスタイルの変化に伴う、生き方や考え方の変化と交替と同じである。そうしたなんら定まるところのない世界を漂い、さ迷い続けているのである。

そのときは、それが正しいと見えても、すぐにまたやむを得ず変化してゆくのである。そしてそれを、最終的に判断して決めるのは自分自身なのである。だからまた、そうしてのみ、自分が自分であると言えるのである。

しかしまた、そうやって新たな自分のすがたカタチを求めてさ迷い続けるのである。異文化や未知の世界との遭遇において共鳴したり、反発したり、そしてまた新たな自分を発見したりするのは、こういうことなのである。

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