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4、領域。

なぜなら、そうした変わることのない世界を自分の意識は生きているからである。そうした、変わることのない純粋で永遠な観念が、自分の意識や生き方、存在の前提になっているからである。

またそれが、自分の心の拠り所であり、自分が信じるものとなっているからである。それを失うのは、現実を生きる自分を見失うのと同じことなのである。自分の存在を喪失するのと同じことなのである。

だから、こうした出発点にあるものは変わりようがなく、それが自分と世界との前提になっている。自分が意識し、知り、考えることの限界線、境界部分となっているのである。

そしてこの境界の領域の中でのみ、自己が意識されると共に、そしてまた、自己の観念の世界を作り出しているのである。自己と他者を区別する、自己の精神の領域を作り出し、そしてそれを支配しているのである。これが自己の観念の世界なのである。

そしてまた、こうした観念的な領域のなかでのみ、人間が生きて生活し、考えたり、感じたりすることができるのであって、そしてこれが自分にとっての現実のすべてなのである。自分にとっての現実とは、こうした自分の中の精神の領域を指しているのである。

人間は、この境界の中しか知らず、知ることもできず、そうしてこの境界の中でのみ、人間として生きて行くことができるのである。

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