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4、移行。

なにかしらの感情として生成される以前の、感覚と生理の複雑で複合的なアンサンブルが導き出した状態。あるいはまた、感覚と生理の内的な、それが本来持っている固有で特有な、複合的な相互作用がもたらす特殊なあり方・状態とでもいったものである。

転換点であり、切り替わりであり、初期化された後の始めの状態から、次の別の状態へと移行する「瞬間」である。つまり、無意識でありつつも何かにせかされ、自覚されないままで、自分が何か別の者へと変わり行く瞬間である。それと気づかないまま、移ろい、流されていて、ただよい、さ迷っている、そうした状態である。

そうやって気づかないまま、何とはなしに、ふと何かを思い出している。自分で自分の記憶を見ている。自分の感覚そのものを見ている。感覚が感覚を感じている。本来あったところの自分自身に戻っている。リセットされ、そしてまた、初めから続けようとしている。

戻る。                        続く。


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