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2、とりつく。
なに気ない、どうでもよい、どこにでもあるような、そんなまことにつまらない何かの「印象」といったものが、どういう訳か、それがいつでも、どこでも付きまとってきて離れないのである。いったいなぜ、どういうわけでそうなるのか、自分でもわからないのである。

にもかかわらず、自分に付きまとい、なにかのハズミや、ちょっとしたきっかけで、意識の表面へおどり出てくるのである。いったいなぜそうなるのか、いったいそれが自分にとって何の意味があるのか分からないのであるが、きっと何か自分にとって取返しのつかない深刻な意味が、隠されているように思えて来てならないのである。

自分がそれに憑りつかれ、自分の影のようにつきまとって離れず、自分自身の何かの分身のように、もう一人の自分のように思えて来てならないのである。そうした何かを言い表し、伝えようとしている。あるいは、自分の心の中に入って来ようとしている。迫ってきて、憑りついて、乗り移ろうとしている、そう思えてきてならないのである。

それは、理由なき強迫観念でもあるし、自分自身のなかにある根源的なサダメや、逃げられない戒めや、宿命のようにも思えてきて、何かが私自身にとりついて離れず、それが自分を支配して乗り移ろうとしているのである。自分ではないもう一人の自分が、いつまでもじっと僕を見つめ続けている、そう思えてくるのである。

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