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自分でもワケの分からない、自分のなかにあった何か得体の知れない記憶の痕跡やカケラ、あるいは影や気配いのようなもの。どう思い起こしても思いだせない何かの記憶の痕跡、あるいは自分の中の何かの錯覚や、偶然の衝撃のようなもの。そうしたものが自分でもどうしようもなく、どうにもならず、自分のなかから浮かび上がってくるのである。 意味不明な、支離滅裂で前後のなんの脈絡もないイメージや物語として、あるいは瞬間的な「めまい」や「まぶしさ」の中のカゲロウやマボロシのように。一瞬、何かの影のようなものが映し出されるのである。自分でもまったく何のことなのか、ワケが分からず気を失いそうになる。 一瞬、自分がだれか分からなくなって、自分がだれか他人のように思えてきて、自分がどこか別世界に迷い込んだような錯覚に襲われる。「襲われる」というのは、それが自分でもどうにもならず、避けられず、逃げることも無視することもできずに、自分に迫ってきて無理やり襲いかかってくるからである。 |