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1、裂け目。
僕は、現実でない世界へと迷い込んでいて、そして生きている自分の現実や時間といったものが、もはやどうでもよいことのように思えたのである。そうやってぼくは、現実に無いものを見ていたのである。

まるでマボロシや、カゲロウや、夢の中で見るように。自分が生きている現実の世界が、揺れて、きしんで、引き裂かれて、その裂け目から、現実に無い世界を見ていたのである。

色とりどりの、まるでカゲロウのような、揺れてぼやけた、おぼろげで、まだら模様の裂け目から、なにか現実にないものを見ていたのである。



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