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4、別の世界。

意識は、意識自身を意識してはならないのである。意識すると現実が見えなくなる。現実が何か得体の知れない、とらえどころのない、未知のものになってしまう。ちょうどテレビの画面が、何らかの障害でノイズだらけになって、物体のすがたカタチがバラバラになって消えてゆくように。

それはまた、意識が意識自身を意識するとき、それが夢の中であれば、夢を破壊して目が覚めてしまうのである。夢から現実の世界に戻ってしまうのである。

あるいは、それが現実の世界であれば、現実の世界を壊してしまう。そして、自分を現実とは別の、そしてまた夢の世界でもない、何か別の世界へと引きずり込んでゆく。自分が魂(たましい)の世界へ引きずり込まれて行く。

意識は、意識自身をのぞき込んではならないのである。自分がだれか分からなくなるし、自分が意識に呑みこまれてしまいそうになるのである。ちょうど井戸の中を覗き込んでいて、一瞬自分を忘れてしまうときのように。



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