index< 日誌 < d無意識 < 18-398「続、外の世界」P2- |
これは神経が異常になって、変に偏った方向へ執拗に反応していて、あり得ない異常な世界に迷い込んでいるのである。 それは、生きている自分自身の肉体の鼓動の音であり、呼吸のリズムであり、あるいはまた、なにかを求め願う本能的な肌や指先の感触や、肉体自身のリズムや気配いといったものがそうなのである。 ぼくは、何かに導かれ、誘われて、いざなわれている。そして何かを求め、願い、祈り続けているのである。それは自分のなかにあって、自分でもどうにもならない、得体の知れない未知の世界なのであって、それが目覚めてきて、そしてぼくを動かし、コントロールし、支配しているのである。 ちょうど未知の天体の彗星が地球に近づいてきて、それに反応して、地球上のなにもかもが重力に従い、それへとなびいてゆくようなものである。ちょうど冬に凍りついた地面が、いつしか春になり、気づかないまま溶けだしてゆくようなものである。それは、だれも止めることのできない、自然の流れというものである。 |