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1、識別。



目を閉じている時、何を見ているのだろう?

何か見ているのだが、それが何かわからないのである。何も見ていないというのでもない。たしかに何かを見ているのだが、ただそれが何かがわからないのである。識別してそれを特定できるような手掛かりが見つからない、ということなのである。

それは「背景」と、背景から分離してくる「輪郭」のシルエットとして見える。目を閉じているので、実際に見ているのではなくて、以前の何かの記憶を思い出して、それを見ていると勘違いしているのである。現実から切り離された何かの記憶の世界である。もしかすると、無意識の潜在意識の世界なのかも知れない。

だからまず輪郭線として感じられる。輪郭線のないぼやけたマダラ模様の世界はとらえどころがなく、それだけで何かを連想したり印象することがなく、記憶に残らないからである。そこには記憶に残る「もの」というのがないのである。そしてそれが何かを意味するといったことがないのである。だからまず輪郭のシルエットが必要なのである。何らかの「もの」としてのカタチが必要なのである。


 戻る。              続く。

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