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変化。



閉じた完結した世界での本質的な変化というのは、ほとんどなくて同じカタチでの生成・消滅の繰り返しがほとんどである。そのキッカケとなるモノも、場面も、必要もないからである。

多少の変化があったとしても、それを動かしている基本の原理といったものが変わらないし、変わりようがないからである。変わるとは、それまでとは違うということであって、別の理由と必然性でもって動いているということである。

このような、何かが別のものに変わるといった場合、以下の、三通りの場面が考えられる。 1、誘発。2、衝撃。3、侵入。


1、誘発。

現実を別の光源から見ることになる。現実というのが、まったく別世界のように見えてくる。色もカタチも、そして現実のそれぞれがまったく別の意味を持ってせまってくる。

未知のモノの接近によってそれを知ることになる。自分というのが、これまでとは別のもののように思えてくる。自分のすがたカタチ、そしてその意味といったものが問われ再発見される。以前とは別のものとして自覚される。自分が他人のように思えてくる。

うすぼんやりしたマダラ模様となり、それがなにかの輪郭のように強調されてくる。どうでもよい、カタチなきマダラ模様といったものが別の意味と理由を獲得して自分にせまってくるのである。

輪郭が何かのカタチとして意識され、面が模様を映しだして、それが個性となって何かのすがたとなって現れる。そして、それが自分でもすでにどこかで知っている、明瞭なカタチとして自分に意識されるのである。


2、接触。

異界との接触面が歪んで、きしんで裂けて、その中からなにかの影として見える。

3、侵入。
接触面が裂けて開いて、異界から直接、異物が入ってくる。異物が何か得体の知れないモノとして交流し始めていて、戸惑い、迷い、驚き、警戒する。自分の中で自分が浸食され始めている。憑りつき、乗り移って来て、入れ替わろうとしている。


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