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7、不可解。



ただしここで注意し、明確にクギをさしておかなければならないことがある。それは、記憶とは必ずしも意識としてのみ思いだされるものではない、ということである。意識としてでなく、ただたんに肉体の生理作用としてのみ思いだされてくることがある、ということである。

意識でも、思考でもなく、そこまで達することのない自己の肉体の感覚だけがもつ、感覚自体のリズムや抑揚、衝撃や、抑えることのできない情緒や衝動の生理作用として思いだされることがある、ということである。

カタチなき記憶として、情緒や生理の不都合、不具合、ノイズとして感じられてくるということである。だからそうした場合は、記憶にカタチというのがなく、言葉とか論理とかそうした何らかの場面として思いだされることがないのでる。こうした記憶とは、感覚の感じ方としての記憶としか言いようのないものである。


 戻る。              続く。

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