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「かすむ」というのは、人間と景色との間に何か、例えば霧とか煙のようなものが入ってきて景色がかすむこともあれば、人間自身の観念の世界、または肉体の神経や生理作用に伴うノイズも考えられる。これは人間の目の中でのノイズでありカスミである。一時的障害・不具合・不整合・不釣り合いなどであって、そのどちらも、「かすむ」のは本人の意思に関係なく、本人と物との間に何かが入って来て見えにくくしているのである。 これに対して「ぼやける」というのは、目の水晶体(レンズ)の焦点距離のズレであって、人間が自分自身でコントロールできる見え方・ぼやけ方である。「ぼやける」とは、そのほとんどが本人の意思のコントロール下にある世界であるのに対して、「かすむと」は、本人の意思の届かない世界なのである。 そしてそれと意識することなく、人間は自分にとって興味のないものをボヤかして見ている。というか、意味のないものとして無視してしまうのである。見る必要のないもの、見てはならないもの、都合の悪いもの、気づいてはならないものとして、「見る」ということがないのである。 |
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