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5 「日本的なもの」 |
3、場所。
そして、この「一所懸命」の、「一所」というのが、 また、非常に狭い。だから個人芸が発達する。 ワザであって、一身専属的なものである。 ただそれだけで押しつぶされてしまいそうな、 非常に狭く息苦しい、自分自身の 空間世界の中にあって、ワザ(技)と 技能の世界に自らの自意識を見出している。 また、それ以外のところに自らを見い出せないで いる。ただそれだけが自分のすべてと ならざるを得なくなっている。 これは哲学なのではなくて、ただそれだけが 現実の世界での自分の居場所となっていて、 そうせざるを得ず、それしかなく、また、 ただそれだけが自分を見出すことのできる ただ一つの場所となっているのである。 |