index < 日誌 < 18-50「条件」 |
人間が生きて暮らして活動する。しかしそれ以前に人間は、生きていなければならず、心臓が鼓動し、血液が循環し、呼吸がされていなければならない。それは人間の肉体の中にある感覚や生理の作用なのであって、それがなされて初めて人間は、生きて暮らし活動することができる。そしてそれを仲介しているのが、人間とその周りを包んでいる「空気」である。風土でいうところの気候条件である。 人間の外にあるものとしての地理的自然条件は目に見えるものとして動かしがたく、だれにもそれとわかるものとして人間を支配し制約しているものであるが、気候的条件、雨や風、湿気や気温などといったものは、目に見えるものではなく、はっきりとそれと意識したり気づいたりしにくいものである。 それは目に見える固定した形をもつものではなく、たいてい意識されることなく、空気や熱を含んだ湿気(水分)として人間の中に入ってきて、人間の生理や感覚に作用して、それを制約し方向づけている。 自分の中のリズムや情緒そして移ろい変化する感覚の起伏としてそうである。また気質や気性としてもそうである。。あるいはまた、その民族の潜在的な可能性や、それが指向する方向性といったものも、あらかじめ定め暗示しているようにも思えてくる。 |