index < 日誌 <風土。18-52「宿命」


 
2、秩序。



あるいは肥沃な平野(河口のデルタ地帯)という地理的条件であれば、農耕が発達し社会が固定化し、中央集権的な上下関係や、それに基づく人間関係(絆)や考え方、行動のパターンが出来上がる。エジプト、インド、中国がそうである。

このような社会にあっては変化は悪であり、災いのタネでしかない。ただひたすら、しがみつくということ、何も変化がないということが、こうしたシステムの存続の絶対条件となっている。変化のないこと、波風を立てないということが、こうした社会での必須の条件となる。

変わることのない土地という巨大な生産手段(=資本)が、人間をして変わるということを何よりも排除するのである。そしてまた、この「変わらない」ということこそが、こうしたシステムの存続の絶対条件となっているのである。

例えれば公務員がそうであり、大企業の社員がそうである。あるいは日本という閉じた島の世界がそうである。要は協調性と「和」が何よりも求められるということである。何もせず、してはならず、考えてもならず、わき目も振らずただひたすら「上の者」から言われたことを繰り返し続けるということが何よりも大事な適性、性格や情緒の条件となる。企業の社員採用のための絶対的前提ともなっている。。


戻る。            続く。

index < 日誌 <風土。18-52「宿命」