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始めは何かの思い込みに過ぎなかったものが、やがて妄想や迷信となり,確信へと変わる。何かに似ているだけのものが、その何かに見えてきて、確信へと変わる。それが、自分にとって利益になるし、都合がよいからである。「そうでなければならない」、「そうであるはずだ」と。思えてくるのである。 しかしそうしたことは、どの世界にもある。それが文明の前提だからである。実は、そうした思い込みこそが、この社会を動かしている原理なのであって、社会が成り立つための条件となっている。 人が群れるためには共通する意識の共有がなければならない。つまり常識とかシキタリ、タブーなどがそうである。それが正しいかどうかではなくて、それが社会全体の暗黙の合意事項なのである。「信じる」とはこのことである。そしてこれを守れない人間は、群れから出て行くしかないのである。そしてこうしたことが群れという社会の存続の条件となっている。 |
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