| index ＜ 日誌 ＜原理、18-59 ホロスコープ（万華鏡） |
| そうしたことは、しかし、だれも気づかないし知りようがないのである。現実にも、概念的にもそうである。自分の「理由」といったものが、そこで閉じてしまっているのである。 自分が閉じていて外の世界が見えないでいる、というのが自分でも気づかないし、気づく必要もないし、気付いてはいけない世界なのである。自分で自分を意識してはならない世界なのである。意識するというのは、こうした文明の原理に抵触することなのである。 だから、外の世界というのを知りようがないし、そしてまたそれ以前に、そうした発想そのもの、そうした意識が生まれる現実そのものがないのである。そうした現実の場面とは、心のよりどころ、その理由、キッカケとか衝動といったものである。そしてそれを省みる、「入れ物」そのものが心の中にないということなのである。 精神の中に、そうした「入れ物」、スペース、余地といったものが無いのである。感情を自分の心の中にしまい込むことが出来ないのである。そして、それを反省したり悩んだりすることが無いのである。 だからまた、感情が理性に上昇することもなく、抽象化もされず、普遍的なものにもなり得ないのである。漂って移ろうだけの情緒として消えて行くのである。 |
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