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なにもないはずの、夢の中の暗い灰色のなかから、それがマダラとなって、おぼろげにかすんで見えてきて、常に揺らめいで変化と移動を繰り返しながら、それがやがて何かの線となり、輪郭線となり、姿となって見えてくる。 それは、自分自身の思い込みでもあり、精神の動揺や、わけのわからない衝動の叫びや、気の迷いなのである。それは自分の中にある情緒の不具合であり、途切れて壊れた精神の裂け目が、何かしらのイメージとして浮かんできているのである。 なにか得体の知れない悩みや恐怖、あこがれや祈りといった迷える本能ないし衝動といったものが、言葉で表現できずになにかの姿(スガタ)として映しだされ、表現されたのである。 心の奥底の闇の中から押し出され、あるいは、かなたのめまいのするような眩(まばゆ)い光の中から浮かんできて、そしてそれが、カタチになったのである。 それは何か理由のある感情ではなくて、むしろ情緒というのがどこかで引き裂かれて、その裂け目から誰かがつぶやいているのでる。そしてそれが何なのか自分でもわからずに、言葉で表現することだできずにいるのである。 |
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