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1、正義。



正義は情緒が定めている。

みんなが、そして誰もがのぞみ願うもの、それが正義である。そしてそれを決めるのは、みんなのうえに立っている「偉い人」である。というのは、古代の奴隷制社会ではなくて、現在の日本社会である。

人の嫌がることをしてはいけない、みんなが進むのとは別の方向へ行ってはならない。みんなが言っていることが正しいのである。みんなと違うことをしてはならず、みんなと同じでなければならない。

要するに群れて媚びて迎合しているだけなのである。自分の考えや意見を持たないのである。自分だけは、責任もリスクも負いたくないということなのである。少なくとも周りの仲間と同じであり続けたいということである。そうしたコネと談合だけで生きている人間である。またそれが出来るし、それが求められる社会である。

そして実は、日本社会全体がそれだけで成り立っている。そしてそれ以外は、社会の仲間ハズレとみなされる。だから、そうした仲間というか「空気」から出れないのである。そうした自分が生きている集団の雰囲気、情緒から抜け出ることが出来ないのである。というのは、日本においてはこれが最も根源的な「信じるもの」、すなわち無言で無意識の宗教となっているからである。


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