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6、責任。



そこは誰も、だれ一人として決断もしなければ責任も取らないという世界である。日本列島では有史以来、独裁者は一人も生み出さなかった。唯一の例外だった織田信長は最高権力を握った途端、暗殺された。

革命は一度もなかった。世界史上唯一の例外として王朝の交替がない(万世一系)。人民による残虐なイデオロギー戦争もなかった。異民族による戦争もほとんとない。そうした統治の空白による公然の無政府状態が現出されることもなかった。

そしてたとえば、軍事要塞としての城は軍人を守るのみで、住民を守るための施設であったことがなかった。誠にユーラシア大陸の戦争の常識からすると、まったく理解に苦しむ。うらやましさと妬(ねた)みと、ため息の出てきそうな世界である。

このような情緒、そして文化的特質。日本のどの時代、どの地域で何が起ころうとも、いつもこの島国、日本列島の中で終始し完結する。しかも外の大陸からの文化は常に自由に入ってくる。そうした世界。


戻る。               続く。

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