index < 日誌 < w 目の中。< 18-79「雲模様」


 
1、無意識。



閉じた目の中が、なぜ、雲模様に見えるのか?

雲模様はカタチにならないからである。カタチとは、つまり現実のことだからである。だから明確な線にも、理解できる図形にも、あるいは何らかの輪郭線にもなり得ないカタチなのであって、それがつまり雲模様なのである。

だからまた、ボヤけて、つかみどころのない移動と変化を繰り返す、雲のような模様となるしかないのである。混沌としていて、なんら秩序の見当たらない偶然と不規則、そして気まぐれと思いつきだけが支配する世界。それが、つかみどころのない、ボヤけてかすんで、おぼろげにぼんやりした「雲模様」なのである。

そうした非現実的な世界が無意識の「目の中」の世界なのである。それ以外にないように思える。もしもそれが、直線とか円弧の入った幾何学模様だとすると、どこかで思考が混じって入り込んでいるのである。そして目の中は無意識の世界なので、そうであってはならないのである。それは思考ではなくて情緒の世界なのである。


戻る。               続く。

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