index < 日誌 < 2018 < 8-「かすみ」と「ぼやける」。


 
1、輪郭。



「かすむ」と、色があいまいになって、
薄くなって消えて行くが、
輪郭(りんかく)は、そのまま残る。
むしろ、輪郭の内部がうす暗くなるか、
それとも明るくなるかで、そうやって
輪郭そのものが見えにくくなっている。
言いかえると、見る者と見られるものとの間に
それらとは別の第三のものが入って来ている。

「ぼやける」と、輪郭が広がり消えていって、
周りに溶け込んでいく。輪郭が薄れ消えていって、
色が消えて明暗だけが周りに広がっていく。
そして輪郭の境界が曖昧になってぼやけていく。

輪郭とは境界線であり、
自己と他者を隔(へだ)てる線であり、
夢の世界、潜在意識の世界、
記憶の世界である。
そして、幻(まぼろし)もまた、
ある意味で記憶の世界である。


 戻る。              続く。



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