index < 日誌 < 2018 < 9-「種の根源」


 
1、境界。



色やカタチの境目(さかいめ)といったものがボヤけて広がって行って、互いになじんで中和し浸食し合っていって、それらの間に区別というのがなくなって、そしてそれが周りに広がってゆく。境界がぼやけて曖昧になって区別がなくなっている。

自分と外の世界、あるいは自分と他人というのが区別できなくなり、また、そうした「区別」そのものが無くなっている。

自分で自分を感じたり、あるいは自分で自分を認めることが出来る何かが、世界から消えている。つまり、自分と外の世界というのが同化してしまっている。同じ囲いの中の一つの世界の中に、迷い込んで溶けてしまっている。自分でも他人でもなくなって、それらとは別の何かわけのわからないものになっている。自分は誰なのか? それがわからなくなっている。あるいは喪失している。


 戻る。              続く。



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