index < 日誌 < f. 衝動。 < 「無意識」p3


 
2、本当の姿



精神は自分自身の孤独な世界から袋だたきにあいながら、踏んだり蹴ったりの世界から、仕方なく、実に、誠に致し仕方なく、どうしょうもなく、現実の世界へと出てゆくのである。そこにとどまり続けるのは自分自身の精神の死を意味するからである。

だから、イヤイヤ、しぶしぶ、血みどろになりながらも、しがみついているのであるが、それでもなお、持ちこたえることが出来なくなって、まことに仕方なく、イヤイヤ、しぶしぶ、現実の世界へと出て行くしかないのである。そしてこれこそが自分の本当の精神、はだかの自分だけの、真実の自分の精神なのである。だれからも何も与えられず、そしてそれら他人を排除した自分だけの、自分自身の本当の姿なのである。

戻る          続く。

index < 日誌 < f. 衝動。 < 「無意識」p3