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8、歴史。

始めは目に見えない、些細(ささい)でちっぽけな内的な変化に過ぎなかったものが、くり返される永い歴史的時間の経過といったものが、目に見える変化として現れてくる。そうしたことが、自分の中で気づくことなく常にくり返されている。これが日常という無意識の世界なのである。

また、このような変化なしに、人間は自分を意識することがないのである。そうして、自分を意識し自覚するキッカケとなっているのが、このような日常の意識されざる無意識の世界なのである。また、そうしたことが自分を、いやが上にも意識させるのである。自分が自分として、他人とは区別される存在として意識させるのである。

このような他人と区別される存在、これが「自分」なのである。こうして自分というのが自分の中から浮かび上がってきて、そして自分と対立し、自分の中で自分というというのが知られてくるのである。自分が自分を意識し始めるのである。


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