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10、忘れる。

それは、自分が生きている現実の世界では、表面に出てきてはならないものであり、また、意識しても、思い出してもならず、知ってもならないものなのである。見ても、話しても、聞いたりしてもならないものなのである。

そうやって、世の中というのがうまくバランスされ、なにごとも平穏無事にとどこおりなく回っても行くし、だれもが安心して平和にくらして行けるのである。

だからやはり、そうしたことは、外に出て来ないように、ガムテープできつく締めて押さえておかなければならないものなのである。しかしそれは、そうすることによって、いつしか自分自身を見失って行くのである。


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