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5、無意識。

さして大事なことだというわけでもないのに、それでも心にとどめておいて、気にもして、保留しておかなければならない、そうした現実の出来事のかすかな、どうでもよい記憶である。

それをなにかの印象や象徴を通して、いわば、それを思い起こすためのスイッチや符号のようなものとして、封じ込めようとしているのである。

しかし、ぼくはいったい何を、ガムテープで封じ込めようとしていたのだろうか? たぶんそれは、現実の何かの具体的な、実際の出来事ではない。それも少しはあるのだろうけれども、それが動機や目的や原因となっているのではない。

それはこのような、実際の出来事とは切り離された、無意識の情緒の世界なのである。それは現実の世界とは直接のかかわりを持たない世界なのである。


戻る。                         続く。



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