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3、同一性。

このような無意識の世界が、人間の現実世界を支配していて、その生き方やライフスタイルを定めていると言えないだろうか。それは民族の情緒の世界であって、もっと正確に言うと、その個人や民族にしかない固有の特性、内的同一性なのである。

あるいはまた、その民族が生きてきた生理と神経作用の傾向や特質といったもので、そうした、数百数千年に及ぶ世代を越えた、自己の生存過程とそのライフスタイルの結果なのである。また、そうしたことが、自己の「内的同一性」を作り上げてきたのである。

そしてこれが、現在を生きる個人や国民の気質や気性、そしてそれが目指すところの傾向といったものを生み出しているのである。この「傾向」というのは、それが目指す方向のことであって、自己の内的同一性に基づく必然性なのであ。それにしかなれず、またそうであるということが自己の証明なのであり、また、そうであるということ、ただそれだけが自己のアイデンティティーとならざるを得ないのである。


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