index< 日誌 < v夢の中 < 「続、思い出せない記憶」p3- |
人間にとっての何もかもすべてが、、こうした無意識の世界から浮かび上がってきたものである。しかしまた、それは個人についてのみ言えることではなくて、民族や国民についても、そのまま言えることであって、そうしたことがまた、様々な国民や民族の気質や気性といったものに反映されている。 そして個人や民族の特殊で個性的な、固有の自律した傾向ともなっている。風土や国民性といったものがそうである。無意識の世界から浮かび上がってきて、そしてそれが社会に共有された、全体としての国民性の傾向となっているのである。 傾向というのは、それが目指す方向や範囲、そしてその限界や、その生き方のルールやパターンが定められているということである。あらかじめ、そのように設定されているということである。すなわち、「規定」されているということである。 それは、そのようにしかなれないということである。また、言いかえれば、これが民族や個人にとっての「しるし」、アイデンティティーになっているのである。これが時代と現実世界の法律や社会制度、文化の根底にあるということである。つまり、こうしたことが人間を定めていて、その性格や気質・気性を規制しているのである。 |