index< 日誌 < v夢の中 <  18-005「ガイコツの夢」


 
1、夢の中。

夢の中で、極端に痩せた人の顔が見える。やがて、目と頬が窪(くぼ)んできて、そしてさらに痩せて行き、骸骨(がいこつ)の上を薄皮が覆うだけになってゆく。

これは死体だ。死んだ人間の顔だ。さらに痩せてゆき、ガイコツだけになり、そしてそのガイコツすらも変質してゆく。ガイコツの表面が、まるでハチの巣のように小さな穴だらけの面となり、それが人のガイコツであるかどうかさえも判別しがたくなっている。

つまり、人間というのが、その理由と意味を喪失していて、人間本来のそれとは何か別の姿(すがた)でもって表現されようとしている。人間が人間でなくなって、それとは何か別の理由でもって生きていて、人間とは別の意味でもって存在している。

あるいは、本来の人間とは別の意味を持つようになっていて、あるいはまた、別の意味を志向し、目指していて、いつの間にか誰にも気づかれないまま、気がつくと本来の自分とは別の者になっている。


履歴へ                        続く。


index < 日誌 index< 日誌 < v夢の中 <  18-005「ガイコツの夢」