index< 日誌 < v夢の中 <  18-005「ガイコツの夢」


 
2、変質。

夢の中で。
人の顔がガイコツとなり、それがまた、ハチの巣や軽石のように小さな穴だらけとなって、いつの間にか原形が分からないものになってゆく。表面が無数の小さな穴に覆われてゆく。

そうしたことが、外からの力によって成形されてゆくのではなくて、ガイコツ自身の都合によって、自分の中にあったもともとの何かしらの理由によって、やむを得ずそうなるしかなかったのである。

それは、自分が意識しなかったとしても、どこかでそうなるのを望んでいたことなのだ。または、もともとそうなるしかなかったのだ。つまり、言い換えると、初め見えていたガイコツというカタチは、一時的なものだったのであり、表面的な偽り、または、何かの間違いだったのであり、本当の自分というのは、もともとガイコツとは別の者だったのである。

ガイコツになる前の、生きた生身の自分というのが怪しい疑いに満ちていて、自分自身というものに果てしのない疑惑を抱いているのである。だから、このガイコツは、外のチカラで無理やり変形されたのではなく、カタチはそのままで、その実体というのが中から変質してゆくのである。だから、生身の肉体がガイコツになり、そして穴だらけになってゆくのである。


戻る。                        続く。


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