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5、存在。


要するに、頂点に立つメンバーが入れ替わったというだけなのであって、その基本システムは常に同じであり続けたのである。数百数千年にわたって幾多の王朝が盛衰をくり返したけれども、常に同じことの繰り返しであり続けたのであって、システムはなにも変わるということがなかったのである。

この「変わらない」ということこそが、こうした社会の存続の必須の条件なのであって、その社会の生存と維持・継続の前提であり続けたのである。

戦争や疫病、反乱などによって、人為的な統治のシステムが破壊され、なんら機能しなくなり無政府状態になったとしても、人間は生きて行かねばならず
、生活の糧を得て行かねばならず、そのためには、何らかの人間関係、人間社会というものを作らねばならない。

そうして、意識も意図もされないまま、あるいはまた、意図的・計画的であっても、いずれにしても、そこで生きて行く人間にとってのシステムというのは、常に非常に限られ、制約されたものになっている。

それ以外になれず、そうとしかならないのである。そしてこれがシステムなのである。これが、観念や意志だけではどうにもならない、物理的・空間的な存在が支配する現実の世界なのである。



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