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3、安心。


夢のなかで、始めボンヤリとぼやけて見えていたのは、それが何なのか自分でもわからないからであり、そして、このぼやけた中から線が強調され、太くなり、輪郭を形成し、閉じた表面になってゆくのは、自分のなかにある、求めていた何かが意識され始めたということである。

あるいは少なくとも、求めてもいるし、願ってもいるのだということが、示されてもいるし、また同時に、自覚され始めたのだ。しかしもちろん、それが夢の中で、具体的なイメージや支離滅裂な物語りとして示されるのは、その後である。

すなわち、輪郭の中から、表面の色や模様や陰影が見えて来て、そしてその動きといったものがわかり始めた後のことである。その後に、イメージや支離滅裂な物語りが、ねつ造され始めるのである。意識が一人歩きを始めるのである。

そうした心情といったものが、夢の中で自分で自分に言い聞かせ、納得し、了解し、安心するのである。そうして夢の中で本来の自分に戻ってゆくのである。



戻る。                      続く。

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