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3、平和と運命。


そうやって、世の中が誰にとっても理解の出来る、お互いが共通のキズナで結ばれていると思えて来て安心するのである。また、そうやって自分をたしかめ、自分で自分に納得するのである。要するに、どこにも自分というのが存在しないのである。自分から逃げているのである。

しかしまた、だまそうとしてだまされた敗者は必ず自分より下の者を必要とするのであって、そうでないと自分が底なしの「下の者」のように思えてきて耐えられない。そうして自分も、自分よりも下の者を作り出して蔑み、辱め陥れてゆくのである。すなわち、これが社会の序列であり、上下の関係なのであって、それは必然なのである。

そうして世の中というのが、同じところで永遠に同じようにグルグルと回り続けるのである。何も変わらずにずっとそのままで平和であり続けるのである。自分で何かを考えて問い直すといったこともなく、また、自分のすべてを運命としてあきらめることが許される、そうした不毛な世界なのである。

何か新しいこと、いままでにない何かを、自分で作り出すといった事がない世界である。そうやって誰もが納得して、そしてずっとそのままで自分が自分であり続ける、そうした永遠に平和な世界である。


戻る。                     続く。

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