| index＜ 日誌 ＜ am種 ＜ 19-031「観念の世界⑥排除」P6- |
| 個人がなくて、集団の中に理没したままの自意識となっている。集団としての個性の一部分として自己の自意識が成り立っているのである。そうして自分が意識され自覚されるとともに、これに基づいて自己の自意識が成り立っているのである。 そして、この集団を離れたところに自己は存在せず、また、その集団から離れたところから自分をとらえて省みる、ということがないのである。また、その必要もなく、それどころか自己を省みること自体が、この社会にあってはタブー（禁忌）なのである。集団の秩序を乱すものと見なされるのである。 それは、こうした社会にあっては、不可欠の条件なのである。むしろそれは、自分で自分を否定することのように思えてくるのである。この「自分たち」という世界を破壊する者と見なされるのである。だからまた、そうした人間を見ると、どうしても許せないといったことがおこるのである。 |