| index＜ 日誌 ＜ am種 ＜ 19-036「観念の世界⑪自己意識」p7- |
| そうしたことが自分の中で、自分を問い、省（かえ）り見ることを強制しているのである。いまの自分というのが、本来の自分とはどこか違うのではないか、どこか誤っているのではないか、もともとの自分というのがどこかで歪められているのではないか、という風にである。 そうしたことがイヤが上にも自覚されてくるのである。そして、こうしたことが、自分が自分に見られている、自分が自分を見ている、あるいは、自分がだれか見知らぬ者によって常に見張られている、といった変な理由なき錯覚をもたらしているのである。 つまり、自分で自分を見ているのである。本来、現実の世界に存在するはずのない、もう一人の他人のような自分が自分を見ていて、そして問いかけ、訴えてくるのである。叫び、あるいは独り言のように、ブツブツとうめき続けているのである。だから、これが自己意識なのである。 |