index< 日誌 < am種 < 19-036「観念の世界J自己意識」p7- |
そして、これが自分の中に住み続けている、もう一人の他人のような自分なのである。そしてまた、これが自分でも理解不可能な、自分の中の不可解な気配いや感触の原因なのである。つまり、これが自分自身の、無意識の世界なのである。自分自身の中で自律した情緒の世界なのである。 情緒が情緒だけで、意識や感情を無視した自分の情緒の中で、遊びをくり返し続けているのである。すなわち、それは、非現実の夢の世界でしかないのである。自分自身の中の閉じた空想の世界でしかないのである。 本人も相手もなく、主観も客観もなく、それらとは無縁の非現実の世界なのである。だからまた、夢に終始し、夢にしかならず、夢でしかない、そうした何ひとつ変わることのない、限りなく純粋で永遠の世界なのである それは自分自身の情緒の世界なのであって、そして、そうしたことが自分自身の肉体の営みとして、いやおうなく感じられているのである。自分に迫ってきて強制してくるのである。絶対的な強制力として自分の中で自分を支配し、縛り続けているのである。 そして、そうしたことが自分自身の中で、自意識の根源となっているのである。そしてこれが、自分の中に住む、もう一人の他人のような自分なのである。まわりから認められ与えられた自分ではなくて、自分にしかない、自分の中の根源的な自分のすがたなのである。自分自身の感覚と情緒が、現実の自分に違和感を覚えて、嘔吐し、異議申立てをしているのである。 |