| index＜ 日誌 ＜ am種 ＜ 19-45「観念の世界20,信じるもの」p8- |
| それは、あらかじめ与えられた「レールの上」とでもいったものであって、このレールから離れた場所で、自分勝手に生きて行くことが出来ないように出来ている、ということである。これがシステムなのである。そして、このシステムから離れたところに人間は存在しないのである。 そして、それを自分で選ぶということができない状態を生きている。そうした世界を人間は生きているのであって、それが自分に与えられた唯一の生きて行く方法となっているのである。そしてまたこれが、文明という社会のシステムなのである。 自分で何かを考えるとか、選ぶとか、そういう生き方というか、生きて行く道は、始めから閉ざされているのであって、あらかじめ閉ざされた世界のなかで生きて行くことを余儀なくされているのである。考えるとか選ぶというのは、そうした閉じた世界の中で行われているのである。また、そうした閉じた世界の中でのみ行えることなのである。 感覚も、その感じ方も考え方もそうなのである。そうしたあらかじめ条件づけられた世界でのみ、それが人間にとって感じることのできるものとなっているのである。それはつまり、閉じた囲いの中の世界であって、それが人間を人間たらしめているのである。人間の存在というのを保証しているのである。 |