index< 日誌 <  am種 < 19-45「観念の世界20,信じるもの」p8-


6、ルール。


それは、社会的身分や、自己のアイデンティティー、自分自身の根源的な魂(たましい)に直接かかわることなのである。そしてこれが、世の中から認められた自分自身の存在理由なのである。

だからまた、決して譲り渡すこともできないし、妥協も許されない、そうした自分が自分であることの根拠となっているのである。そしてすべては、ここから始まっていると思えてくるのである。

それは、人間がこの世に生まれた途端、生きて行く上でただ「信じる」しかないものなのである。それは、本人とは無関係に、始めから与えられ定められている現実というものなのである。要するに世の中の全体が、それに逆らうと生きて行けなく出来ている、ということなのである。

そしてまた、それを「信じる」といったところで、何かが、どうにかなるというものでもなく、それでも、ただ信じ続けるしかないものであって、信じなければならないものなのである。現実の世界には、ただそれだけしかないということなのである。選択の余地がないということなのである。

そしてそれが、この社会にとっての暗黙の共有意識となっているのである。ルールであり、無言のオキテとなっているのである。これを無視すると生きて行けなく出来ているのである。これがシステムなのである。


戻る。                 続く。

index < 日誌 index< 日誌 <  am種 < 19-45「観念の世界20,信じるもの」p8-